いま人類は国籍や国境を超えて地球をまなざし、夢であった月や火星もずいぶんと身近な存在となり、太陽系大航海時代の幕開けを迎えている。私たちの描く夢の向こうにはなにがあるのだろうか。
HELIO COMPASS MUSICの楽曲は、太陽系の運行を壮大な譜面に見立てて1年を音像描写している。スタートは春分。曲の半分で秋分を迎え、再び春に戻ってくる。1年365日の天文情報を秒単位でタイムラインにし、二十四節気、朔弦望、惑星会合など、太陽や月や惑星の動きをさまざまな音で表現している。それはあたかも一呼吸に一生が感覚されるように、1枚のCDに大きな時空が詰め込まれている。本シリーズも、岡野弘幹氏とは6作目のコラボレーションとなり、早いもので木星半周ほどになる。2018年からは、アメリカDOMOレコードからリリースされ、全米にネットワークを持つラジオ番組で50分全てを一曲として放送されるという快挙も成し遂げた。本シリーズが新しい音楽表現の世界を切り開きつつあることを嬉しく思う。本作では、昨年に引き続きAkira∞Ikeda氏がフィーチャリングとして参加し、その他さまざまなジャンルから多くのアーティストに協力いただいた。奄美大島やハワイの波の音、サンゴやクリスタルなどの響きに誘われ、気づけば地球の記憶に触れるような作品となっている。前作『Emergence from AWAI』から続く、壮大な時空の絵巻物をどうぞ!
地球暦との6回のコラボで僕は確信する。
僕達は広大な宇宙という場所でこの地球の上に立っている。
今、この瞬間も僕らは宇宙を旅している。
幾千もの苦しみや喜びを魂は経験してきた。
誰かを傷つけ誰かを愛してきた。
良い事や悪い事もこの宇宙は許してくれている気がする。
エネルギー不滅の法則なら僕らの魂もまた、永遠。
永遠の今を宇宙に放とう。
岡野弘幹